Allemansrätten
アッレマンスレッテン
私的、スウェーデンの好きなことベスト3に入るのがこのアッレマンスレッテン法。
日本語に直訳すると 『みんなの権利』。
この「みんなの権利」についてスウェーデン環境保護庁の公式サイトの記述を見てみましょう。
Allemansrätten
Du använder dig av allemansrätten när du går en promenad, paddlar kajak eller sitter på en sten och tänker. Allemansrätten är en unik möjlighet för oss alla att röra oss fritt i naturen. Men vi behöver också ta ansvar för natur och djurliv och visa hänsyn mot markägare och andra besökare. Alltså inte störa – inte förstöra.
「みなさん、このみんなの権利を使って
スウェーデンの国土中どこでも自由に散歩していいですよ、カヌーでいろんな池を漕ぎ漕ぎしてもいいですし、
または岩に座って考え事をしても良いですよ。
これは、私たちみんなが自然の中で自由に行動できる、ユニークなみんなの権利です。
でも、自然や動物界の邪魔をしたり破壊したりしないように、土地の所有者達に敬意を払うように
みなさん自分で責任をもってくださいねー。」
と書いてあります。
私的にすごく気に入ったポイントが、政府の公式サイトで、スウェーデン人がする行動の一例として、”岩に座って考え事をする”という事が挙げられている事です。めっちゃ可愛いですね。さすが自然の民だわ。
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この法律は、そこが私有地であろうが、森の中、山の中、トレッキングして良いし、お腹が空いたら荷物を降ろし、森から木を集めてきて、火をおこしたき火をして、その火で料理をし、一晩ならそのままそこでキャンプをしても良いという自由をスウェーデンの国土上に立つ人々に与えているのです。
スウェーデンの醍醐味は大自然の中での遊びなので、このような法律がある事は素晴らしい事です。
森の中でトレッキングをしていて、私有地と知らずに人の土地に踏み込んでも怯えることなかれって事ですね。
気にせずざくざく歩けます。気にせずカヌーをこぎまくれます。気にせずワイルドなスキーができますし、岩の上で考え事もできますが、ただ、岩の上で火を作っては駄目だそうです。この理由は、岩の上で焚き火をすると、岩が熱で割れて崩れるからだそうです。
特にストックホルムは街全体が岩で出来てるんじゃないかと思うぐらい、あちらこちら大岩の地域なので、これは知っておいた方が良い豆知識ですね。
この法律のおかげで、スウェーデンでのトレッキング、ハイキング、カヌー、カヤックはすごく楽しいです。「私有地と知らずに踏み込んで射殺される心配がないとは良い。」とアメリカ人が言っていました。アメリカ人の口から聞くとなんだか、とてもリアルです。
気の向くままにザクザク進んで、道中で野生のベリーを摘み、ビタミンを補給しながら、日が落ちてくると薪を集め、たき火をして、料理を作り、湖のお風呂に入り、キャンプをする。
翌朝カヌーに乗って、気の向くままバチャバチャ漕いで、日が落ちてくると、またたき火をして料理を作りキャンプをする。
といった感じで何日も生きていけます。
特に夏は白夜の時期もあり、暗くなりきらないのでキャンプしやすく、また、湖に映る暗くなりきらない空の色も素敵です。
野生ベリーがあちこちに生えているスウェーデン
野生ベリーを摘みながらビタミン補給
ダーラナ地方の湖。夏の太陽は落ちない。
私「ねえねえ、法律的に、私有地に入ってもいいって書いてあるよね?スウェーデン中どこでもキャンプしていいんでしょ?じゃあさ、極端な話、人の家の庭で一晩キャンプしたり、バーベキューしたりしても良いってことのかなー?」
スウェーデン氏「ふむ。理論的にはそれもギリギリありかもしれないけど、見知らぬ人が庭でキャンプを張っていたら、朝起きてきた家の人がビックリするだろうから、駄目でしょうね。」
この法律があるからといっても、人の家の軒下でのキャンプはあまりお勧めされていないようです。
そりゃあそうですね。そんなのちょっと戸惑うよ。
以上。スウェーデンの素敵な権利についてでした。
カオル